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地図に張りつけていく、君のこと
雨に濡れている、花のこと
音に溺れていく、融解している世界の境の不確かさの足元のこと
抱いて寝る
寝る
寝んじんそうねえ、寝んなかいん、
幻は立ち現われて、後生んかい
そうてぃいちびえん
手を引かれて連れられて
見てきたようなユクシ物言いをしてしまう
あんし、ちゃーすがたい
問いただされて
どうにもならんさ
ならんどう
ならんどう
ならどうしよう、わたしのこと
小満芒種の花洗い雨
白い花弁が散っていく、音が、する
地図を広げて、手を突っ込んでいる
君の乳房を確めたくて
君の乳房は冷たくて、
吐き出すんだよ、血だよ
血だよ、どっくんと音のする
音、聴きながら、
水撫でた君の体の冷たさを
わたしは触る
ちゃーならん ちゃーならん
じゃあ、どうするの
わたしのことはどうしょう
あんしんかんしん ならんしが
だから
どうするの
わたしと君の混沌の怪しい世界のボーダーで
歌を歌おう
手を握ろう
キスをしよう
あんしんかんしん ならんしが
だから
なんなのよ
君の世界は水
イジュの花びらに溜まった雨粒に
映る世界のまんまるさのなあかんかい
入ってみたい、君は水だ
ミジだミジミジ イジュの花
こぼれいただき 御馳走さびら
水撫でた赤子はわたしの子
君の世界へは連れ戻れない
戻れない帰れない赤のユー
帰らないわたしはふりむかない
またかえり見る
山ぶきの花
歌うあなたは誰、誰、戻れない人
地図を張りつける、君のことを
地図に張りつける、君のいたことを
歌う人もなくなった今、わたしのこと
張りつける、君のことを
触りつつ
冷たい水の君を触りつつ
わたしのこと、
君の苔の下
君の水の中
kANA12号より。
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