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自分を見るような人と酒を飲むのはわびしい。影と本体が幾重にも重なりか、そして「さようなら」。
自分を読むような本を読むのはつまらない。先がわかるのはミステリーであり、先がわかるからこそよけいになどと思ってしまうから。
自分が嫌だから、きみに噛み付いているのに、そんなに「自分を誉めないでよ」。きみがいろんなことをよく知っているということは、前からよく知っているのだから。
音楽とか数学とか、そういう分野は口を開けてはならない。ならないのに、きみはよく話すね。「啓蒙」なんて古臭いのに。
自分を可愛がらないから、少なくともそういうようには見えないから、きみが好きだ。
でも、自分が可愛いというように真正面から話してみたらどうだろうか、その話はとても難しいけど、それが成立すれば最高だと思う。
きみはひとを要しているのに、ひとはいらないなどというね。
単純に、ということほど難しいものはないが、単純に、ぼくはぼくを見捨てないでいる、という言明は、単純に、いいよ。
上顎の下の歯茎が膨れている。
下腹の下から大地を目指して出るものをしっかりと見た。
それは救われた、水に。
ぼくはぼくを自分だけでは救済できない、この言明はだれかを意識しているということで、
偽りになるのだろうか。
ぼくはひと、ひとはたぶんぼくだけではないはず。
こうして言葉がはじまると、そのマトリックスが「永遠の相のもとに」描かれる。
そのとききみは、きみたちは、担う
すべての不幸の、すべての幸いを!
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